東北地方の看護大学の先生方が大切に育てて下さった北日本看護学会ですが、第19回は久々に学術集会を単体の病院が担う事になりました。宮城県内だけを見ても規模、人材ともに大きく優秀な病院がある中、ベッド数170床、看護師120名の中小病院である公立黒川病院がお話しをお受けするには数々の葛藤がありました。「なぜうちで?」という疑問もありました。しかし、地域の中核病院が発信できる強みも、発信するべき事もあるだろうと考え、また声をかけて下さった学会の理事の方々の信頼に応えたいという思いもあり、お引き受けすることになりました。
メインテーマは “変わる!”です。地域包括ケアシステム構築が急務の現在、急性期病院であろうと看護師が在宅への視点を持つことが、地域(住民)から求められています。さらに、在宅での看護師の役割拡大の一環として、特定行為に関する看護師の教育がはじまりました。日々変化する医療の中でも、現在は大きな転換期にあるでしょう。チーム医療も院内から地域へと広がっています。連携のカギはコミュニケーションであり、看護職以外の職種との連携のために「多職種連携のコミュニケーション」について杉本なおみ先生の体験型研修を計画しました。特別講演には日本の特定看護師教育の先駆者である草間朋子先生をお呼びして、看護師の裁量権の拡大につながる「特定行為に係る看護師への期待」についてお話しいただきます。同テーマでシンポジウムも企画しております。
初体験の中、参加のみなさまにご迷惑をおかけする事もあるかもしれませんが、黒川病院看護部職員一同、全力を尽くして運営にあたりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、杉本先生の体験型研修は事前登録が必要です(余裕のある場合のみ当日受付を行います)。
ぜひ多くの方の登録と参加をお待ちしております。
第19回北日本看護学会学術集会 学術集会長
瀧島美紀
公益社団法人地域医療振興協会 公立黒川病院 副院長兼看護部長